チーム力から個の時代へ
今日お話しする内容は、
どうやったら勝てるかの話ではない。
どうすれば、子どもたちにとって最も有意義な3年間を作ることができるかというお話。
チーム力重視から個の成長に時間を割いていく指導方法。
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チーム力重視。
といって最も想像できる指導方法としては、
連帯責任制。
みんなができるまで終わらない。
誰かがミスをするとみんなでペナルティ。
とにかく、みんなで・・・を強調する。
確かにこれは、チームを強くする上で非常に有効な手段だ。
最も効果を発揮するのは、
チームメイトに対して自分の時間を割いてまで、
教えたり、励ましたりすることだ。
チームビルディングには非常に有効で、
社会性も身につくから、僕も賛成だ。
しかし、意外にも部活動という3年間では
それを教え始めると時間が足らなくなる。
僕は、これからは個に応じたオーダーメイドの指導へと
変化していくと思っている。
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どちらかというと、
チーム力重視の指導者は
選手を一元的に見がちだ。
つまり、育成ノウハウが乏しく
少ない観点からしか選手を評価できず、
向上のためのガイドラインを提示できない。
そして、能力の向上が頭打ちになったあと、
あとはチーム力だと言い、膨大な時間を費やす。
しかし、育成という観点で見ていくと、
その膨大な時間は非常にもったいない。
つまりは、指導者が多角的にものを見ることができないから、
チーム力向上という途方も無い作業にみんなが向かってしまうのだ。
僕はこの、多角的な視点は、今後コモディティ化(一般化)していくと思っている。
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最近経済に関わる本をよく読むが、
今の主流として、無料で多くのものを提示していく流れだ。
その点、野球界は全くといっていいほど、
オープンでない。ものすごい閉鎖的な空間だ。
なぜなら、勝敗にこだわりすぎるからだ。
勝敗にこだわりすぎて、手の内を見せない。
見せたら負けると思っている。
高校生という世代。
負けたからなんなんだと僕は思う。
そんなことより、150キロ投げる高校生を増やすことに頭を使いたい。
僕はこの、野球の指導に関して
スクール事業として展開しようとは思わない。
むしろ、そこで知識を希少化に見せかけている時間に、
もっと他のスポーツが発展していき、
野球の良さが伝わる前に競技人口減少が起きて終わる。
だから、指導のノウハウはいち早くオープンにすべきだと思う。
だってそもそも、基本的には公務員がやっている指導ノウハウなんだから、
市場価値をつけなくてもオープンソースとして公開して、
業界の発展に寄与した方が絶対いい。
一体この流れ、誰が止めているんだ?
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かく言う僕は、
偶然ではあるが、
野球の指導という点で、
多角的な視点を持っている。
それは、教育現場に全く入る気がなく、
トレーナー業界に入ろうとして必死に勉強してきたからだ。
だから僕は、
・ケガ予防の観点
・パフォーマンス向上(トレーニングを用いた)の観点
は少なくとももう持ち合わせている。
そこに加え、
自身の経験で野球についてはある程度理解している。
また、野球の技術とフィジカル工場の間の部分の繋ぎ方も知っている。
そして、教育機関に入ってから、
心理学、脳科学に関しても勉強してきた。
チームビルディングに関しては、
大学時代、漠然と社長になりたいと思い、
ビジネス書籍を読み漁って知識をつけた。
同時に自己啓発に関してもかなり勉強した。
同時にその理論の実践を日々教育現場で実践している。
この多角的な視点で選手たちを指導していくとどうなるかというと・・・
時間が圧倒的に足らなくなる。
まずそれぞれの現状把握を行う。
ここではフィジカルだけでなく、
心技体全ての視点で現状把握を行う。
その後、そのポジションからどう上がっていくかの
ガイドラインを生徒一人ひとりに提示していく。
そして、励ましながら
フィードバックを定期的に行いながら進めていく。
これだけで、本当に1日が一瞬で過ぎ去っていく。
チームビルディングをする時間が本当に足りない。
だから選手には、
他人の足引っ張る暇があったら、
自己の向上に時間を使え。
と精神論の説教ではなく伝えることができる。
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僕がこれを、
多数の人間に行おうとすると、
間違いなくすぐにキャパオーバーする。
だから、同じような価値観の人材が増えるようにと、
協会を立ち上げ、セミナーを開催し、
協会ビジネスを行うこともできる。
しかし、その先を想像した時、
このオーダーメイドは、AIがやるんじゃないかと考えている。
オーダーメイドするための、
評価方法をAIにディープラーニングさせ、
選手一人ひとりに合った適切な練習方法を提示させられるようにする。
では、指導者の役割は?と聞かれると、
「励ましです。」と僕は答える。
人は、本気で応援された時、思いもよらない力を発揮することがある。
応援の力は凄まじい。
僕は、応援という気持ちを鼓舞することは、
人にしかできないんじゃないかと思っている。
だから、僕がいつも大切にしているのは、
「言葉」と「関わり方」
これだけは、機械的にできない。
そう考える部分にはとにかく丁寧に行う。
最適なガイドラインはいつかAIが担ってくれる。
僕らがやるべきことは、励まし勇気付けること。
今話していることは、10年も20年も先に実現するかもしれない。
教育現場の方がこの流れは早いかもしれない。
しかし、部活動の方が小回りがきくメリットがあるんだから、
部活動が最新の教育法を提示する流れがあってもいいんじゃないかと思う。
育成世代は、チーム力よりも個の力を高めることに重心を置いて指導する。
これを僕のポリシーとします。
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