学校体育改革2025

学校体育が本当の意味で、日本を救っていける教科になるためのヒントを書き綴るブログ。

「勝ちます。」で終わるミーティング

部活動の〆のミーティングといえば、

「今日の練習は〜だった。」

「明日の練習は〜時から1日練習だ。」

 

みたいな指導者が一方的に話をして終わるのが定番。

僕が顧問の部では、

キャプテンが一言、そして他の部員の誰か一人が一言話すのが通例だ。

 

そして、こと試合前日になると、

それが全員になるというルールがある。

 

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2ヶ月前に公式戦があった。

その時のミーティングで彼らが口にしていた言葉は、

「自分のやれることを頑張ります。」

「迷惑かけないようにします。」

「全力疾走します。」


一見、決意表明の言葉のように聞こえるが、

行動目標でしかなく、具体的な目標ではない。

 

そして、具体的にというと

「明日はヒットを1本は確実に打って…」

のような、自身の活躍は想像できるものの、

チームの勝敗に関しては一切口にしない。

 

そして、

「一本は確実に…。」

猛打賞はしたくないのか?と聞きたくなるほどに謙虚だ。


謙虚であることは日本人の美徳かもしれないが、

謙虚であり続けた時、自信というものを手にできずに終わる。


たまには、大きく出てみて、

それが体感できた時はじめて、

よく言う”成功体験”となるのだ。

 

描いてもいない、

欲しくもないものは成功体験にはならない。

 

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そして僕はそのミーティングで、

「勝ちますと宣言した選手、1人。やり直し!」

と言ってみた。

 

そして彼らが最後に「勝ちます」と口にできるように話してみるが、

なんともぎこちない文章での「勝ちます」にしかならなかった。

 

これではさすがに勝てないなぁと思ったら、

案の定惜しくも負けるという展開で終わった。

 

僕はその敗戦以降、

とにかく彼らが自信を持ってプレーできる人間になってほしいと思い、

自信がつきそうなシステムやストーリーを試しまくった。

いわゆる流れ弾戦法だ。

 

そして明日、

公式戦ではないものの、準公式戦が行われる。


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今回はどちらかというと

叱責をするミーティングになってしまったため、

また準公式戦だから”いつものあれ”はやらない予定だった。

 

しかし、キャプテンが自ら始め、

一人一言ずつ話し始めた。

 

全員の語尾には、

「勝ちます」がついてくる。

 

申し訳ないが、

それを最後につけるくらいは、

そう難しいことではない。

 

僕が驚いたのはそこではなかった。

 

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「明日は、自分が勝負どころで一本打ち、○○が投げて抑えて勝ちます。」

とキラキラスマイルで言ったことだ。

 

①自分が活躍すること

②仲間も活躍すること

③チームが勝つこと

 

この3つが含まれている20秒スピーチを

”なんの違和感もなく”さらりとみんなが語るのだった。

 

 

指導者目線でいうと、

どう考えても今日の練習では明日いい試合ができるようには思えなかった。

 

しかし、彼らは自分のことを信じている。

いや、自分達のことを信じている。

 

人の”その気”って本当に恐い。

 

明らかに2ヶ月前と違った。

自信に満ちあふれている顔だった。

 

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人は変われる。

 

うまくいかないことへの保険をかけているうちは、

やはりうまくいかない。

 

しかし、うまくいくかいかないかよりも

”やったろう!”精神にスイッチが入った時、

本当の意味で進化していくんだと思う。

 

僕は彼らの”その気”にビビっている。

自分が高校時代に頑張っていた時を軽く越されるんじゃないかと
ヒヤヒヤさえもする。

 

 

明日は、そんな彼らの晴れ舞台。

 

どんな試合を見せてくれるのか楽しみだ。