学校体育改革2025

学校体育が本当の意味で、日本を救っていける教科になるためのヒントを書き綴るブログ。

運動技能習得のために何ができる?

技能って運動技術を運用していく能力のこと。


よく技術指導って言葉を使うけど、
技術は方法論でこんなのあるよっていう提示をしてるだけ。

この方法論の正解ばかりを求めている運動指導者は多くいると思う。

そして、教本に載っているのは、技術の紹介。

そして、技術を習得させるためのコツをいくつか紹介している。
たまには、練習方法(授業に使える内容)なんかも載っている。

 

YouTubeでも同じこと。

いい感じの練習方法はあるけど、目的はよくわからない。
そして、目の前の生徒と動画の技能レベルが近いことはほとんどない。

 

当然、それを見よう見まねで教えたところで生徒の反応は薄く、うまくいかない。

 

 

技能習得のために、技術の提示と反復練習以外にやるべきことってなんだろう。

 

例えば、キャッチボール。

白羽取りのように、手を横に広げタイミングを合わせて勢いよく手を叩きにいくような取り方をする子に、
僕らはいきなりソフトボールとグローブを渡して、キャッチボールから始めていいのだろうか。

 

ここで僕の持論。

スポーツ技術を習得した技能熟練者になるためには、

少なくとも二つのステージが必要。

 

①重力下で自分の身体を自由に扱える力

 

②環境を意識しながら、そこへ順応していく力

 

 

①は簡単にいうと、

「正しい姿勢つくれますか?」

「しゃがめますか?」 ということだ。
手足は器用になっても、体幹部やその付近の股関節や肩甲帯を上手に使える人はどんどん減っている。

これはもう、今の生活様式なら仕方のないこと。

 

これができない子どもがスポーツをしたらどうなるか?

一つはケガ。身体の土台が無いのに、過度に特異性のある動作を反復練習するため、一カ所への負担増大。一瞬で子どもたちの夢はケガによって閉ざされる。

もう一つは、燃え尽き症候群

指導者によって、技術の習得の遅さを心の問題として人格否定され続け、やがて主体性は失われ、やらなくなる。

 

僕はこれくらい身体の土台づくりは重要だと思っている。

 

②は簡単にいうと

小さい頃の遊びだ。

水たまりを飛び越える。木を登る。石で水切り。ぶらさがり。穴に入る。

自分の身体をうまく使って、環境に適応させる力。

ボディイメージや自己の能力イメージ力がないとできない。

 

②がなくて困るのは、ちょうど中学、高校くらいからだろう。

筋肉むきむきなのに運動音痴。

力はすごく強いのに、自分より小さい子に力負け。(技術的な意味で)



僕はこの二つの土台づくりが体育の役割だと思う。

 

これが低い子には、できれば技術指導、心の指導だけで解決してほしくない。

 

 

ではその2つの力をどう見るか。

 

僕は「起立、気をつけ、礼、着席」で見る。

起立と言われて瞬発的に立つ力、気をつけで止まれる力、礼で背筋を伸ばして頭を下げる力、着席時にスムーズに静かに座る力。

すくなくとも、これで①に関しては評価できる。


話しが長くなってきたのでまとめ。

運動技能習得のためには、身体の土台作りも重要だということ。

 

 

また、細かく紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。