学校体育改革2025

学校体育が本当の意味で、日本を救っていける教科になるためのヒントを書き綴るブログ。

できた!という成功体験で終わってはないだろうか。

久しぶりに体育について考えてみる。

 

というのも、採用試験の季節になってきて、

 

そういえば自分も数年前のこの頃は、

どんな授業を行いたいかなんかを考えていたなぁと思い出した。

 

その時、人から聞いた言葉をもとに深めていきたいと思う。

 

 

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志望動機は何ですか?

 

「子どもたちに成功体験をさせてあげたいです!」

「今の子どもたちはどうも自己肯定感が低く感じます。」

「体育の授業を通して、自己肯定感を高めていきたいです!」

 

そんな言葉を聞いたことがある。

 

当時は、素晴らしいなぁ。

僕なんかよりもよっぽどアツい思いで教師になりたいんだろうなぁと感じた。

 

それこそ、その言葉で自己肯定感が下がった。笑

 

そこで実際現場に出てみて思ったこと。

 

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自己肯定感を高めてあげることは本当に大事だと思う。

あることがきっかけで大きく人が変わる瞬間を何度も目の当たりにしてきたからだ。


では、なぜ自己肯定感が大事なのか?

 

成功する人たちは、総じてチャレンジの回数が純粋に多い。

そして、その人たちがチャレンジできる理由こそが自己肯定感だ。

 

そのうちできる気がするという、根拠のない自信こそが、自己肯定感の極みだ。

そんな自信があれば、少々の失敗でくじけるはずがない。

 

だって、できると思ってるんだから。

すぐくじけるってことは自分を信じきれていないってことだ。

 

では、この自信、どうやってついていくのか?

その答えの一つに、成功体験があるのだと思う。

 

ちなみにいうと、

成功体験だけが自己肯定感を高める要素ではない。

他にもたくさんある。

 

そう、成功体験が

成功者への第一歩になり得るのだ。

 

特に僕らのような体育人は、

スポーツでたくさんの成功体験をしてきて、

自信というものを感じてきた。

 

だからこそ、

スポーツには人として大きくする力があると信じているのだ。

 

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そんな成功体験。

現場に出てみて、疑問に思ったこと。

 

竹馬に乗れた!

一輪車に乗れた!

逆上がりができた!

25m泳ぎきれた!

マラソン、完走できた!

 

運動を軸に成功体験が、現場にはたくさんある。

 

しかし、素朴な疑問。

 

”それができて、一体どうなるの?”

 

身もふたもない意見かもしれない。

 

しかし、僕は思ってしまった。

組み体操だってそうだ。

 

時代の流れとして、

そのまま消えていった感はあるものの、

多くの人が、それができて一体どうなるの?

と思ったから、消えていくことになったんだと思う。

 

僕が言いたいこと。

それは、

 

”もっと合理的なことで成功体験させてあげられないの?”

 

ここに尽きる。

 

そして、先程挙げたことが悪いのではない。

それを習得させて、その子にとって

どんな力がついたのかをしっかり考えようという話だ。

 

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僕がいう合理的な手段とは、

 

運動能力向上だ。

 

え、一輪車も逆上がりも水泳も運動能力でしょ?

 

うん、そうなんだけど、だ。

 

そうなんだけど、

なんか直接的に広がりなさそうじゃない?

 

それの習得で、先のスポーツとか、実生活に繋がりにくそうじゃない?

ということだ。

 

僕は、運動技能習得までに4つの段階があると思っている。

 

①アライメント(姿勢)の適正化による、関節の安定性と可動性

②重力適応しながら運動する(生きる)力

③②によって高まる基礎体力(筋力、瞬発力、持久力、柔軟性など)

④その場の環境(不安定な足場や道具を使う環境など)に適応する力

 

の後に、逆上がりや水泳なんかがあるんじゃないかと思っている。

 

ここに挙げた4つのことなんかをゴールに置きながら、

成功体験をさせてやりたい!って言ってもいいんじゃない?

というのが僕の持論だ。

 

昔は成功体験の場が、

逆上がりや一輪車や水泳だったのかもしれない。

 

しかし、今ではその課題が難しすぎるんじゃないかと思っている。

 

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実は、僕が高校生の頃、学校で組み体操があった。

初めて演技種目を見た時、驚愕した。

そして、できるはずがないと思ってしまった。

 

当然、そんな風に考えている僕がいざやってみるとケガをする。笑

だって、できないと思ってるんだし。

 

なんだか、先輩たちは出来てたぞ!

という言葉に騙されているんじゃないかとさえ思う。

 

そして、かくいう僕も伝統とかいう言葉を都合良く使う。笑

 

そう。

もう一つ言いたいことは、

 

”できるかできないかの境目くらいの課題を毎回考えて!”

 

ということだ。

成功体験というならば、できるかも!

と思えるような課題をセッティングして!と懇願したい。

僕が生徒ならば。

 

最も人が自信をつける瞬間は出来ないと思っていたことができる瞬間だ。

 

わかる!それはできるよ。と見えているのも。

 

しかし、僕には無理だ。笑

だから、もうちょっと簡単なショートステップから始めさせて。

とお願いしたい。

僕が生徒ならば。

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では、成功体験をさせてやりたい教師がやるべきことって何だ?

 

一つは、その体験によって心の成長だけでなく、

身体的能力の向上もさせてあげよう。

 

もう一つは、”できるかも”と思える課題の提示をしてあげて。

 

もうこの2つだ!

 

せっかく素晴らしいビジョンを掲げているんだから、

そこにもう少し深堀する勇気と、

寄り添う勇気を持とうよ。

 

というのが今日のお話でした。