知識ではなく、学び方を教える
知識基盤型の時代はもう終わった。
僕が大学時代、教職教養の講義の中で、そんな言葉を聞いた。
そして、研修に行っても、
「今では知識を持った人ではなく、知識を使える人育てをしなくてはならない。」
と、どこに行っても聞くようになった。
そして、企業でもグローバル人材なる、課題解決型思考ができる人材を求めている。
僕も、この考えには賛成だ。
知識は今の時代、簡単に手に入る。
生徒はよく言うが、「ググる」と答えは出る。
そう、僕らが知識を教える時代はもう終わったのだ。
それでは、何を教えないといけないのか?
それが、タイトルにも書いた様に、
学び方を教えることだ。
====================
僕が今勤務している学校は、
超がつくほどの進学校ではない。
大学進学を考える生徒はたくさんいるため、
進学校ではある。
しかし、やはり普通の学校。
学び方を知らない子が本当に多かった。
学び方を知らないから、
知識がなかなか定着しないし、
応用が利かないし、
継続できない。
そして、勉強に対してアレルギー反応を起こし、
思考停止させたまま、我慢しながら50分間を耐える。
もはや、修行の時間だ。
学び方を教えてやらないと…。
しかし、ふと思った。
「僕らは、学び方を一体どうやって学んできたのだ?」
================ー=ー
学び方って何だろう。
まずはそこから考えてみよう。
・PDCAサイクルを活かした自己修正力を高めること
・忘却曲線を活かした短期記憶を長期記憶へ移行する方法
⇒語呂合わせでの暗記
⇒ノートなどにメモすること
・目標設定の方法と計画の実践方法
⇒ゴール設定と目的の決定、そして長期目標、短期目標の設定方法
今思いつくのはとりあえずこの3つ。
その他にも、教科の特性に応じた学び方はあるだろう。
どの教科にも繋がり、そして実生活に活きるものがこの3つだ。
====================
では、僕らはこの学び方を教える方法を学んでいるだろうか。
少なくとも、研修では記憶にない。
そうだ。僕らは学び方の教え方を、学んでいない。
自力で学ぶしかない。
そして、自力で学ぶ意欲のない教員は、
生徒がやる気がないから。という言葉で全てを解決してしまう。
もしかしたら、昔は各家庭で学び方を教えられていたのかもしれない。
もしかしたら、初等教育の段階でそんなことを教えられたのかもしれない。
もしかしたら、今は体験を重視しすぎて、じっくりと学習に取り組む時間を取れていないのかもしれない。
原因はわからない。
しかし、僕はこの、学び方を知ることは、
大人になってから、絶対に必要になってくると思う。
・自分で自分の身を守る力
・周りの人を助ける力
残念ながら、世界はそこまで優しくない。
何も気にせず生きていれば、
気づけば病気になってしまうような世の中だ。
気づけば、社会の奴隷になってしまう世の中だ。
だからこそ、
そこで一つ立ち止まって、
疑問を持って、行動を選択する力をつけてほしい。
何気なく生きるのではなく、
少しの疑問を持って生きられる人育てをしたい。