学校体育改革2025

学校体育が本当の意味で、日本を救っていける教科になるためのヒントを書き綴るブログ。

研究発表で話そうと思っている内容をこっそり紹介②

前回の続編を早速公開!

 

前回はなぜこの研究でいこうと思ったのかというお話でした。
gakkoutaiikukaikaku2030.hatenablog.com

 

今回はその続き。

 

あ、そういえば前回テーマの紹介をしてなかった。笑

 

「チームスポーツが盛り上がる導入のコツ〜クリアする度に会話が増える不思議なタスク〜」

まぁあの、トレーナー業界でセミナー企画なんかをする時と比べると、少々ダサい気もするが。笑

ただ、他府県の先生方を見ていると、もっとちゃんとした感じなのです。笑

 

だから、なんとキャッチーなタイトルなんだと、むしろ期待されすぎて少々焦る。笑

 

とまぁこんなテーマで研究としていこうじゃないかと進めていったわけです。

 

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体育の価値を高めたい。

これは、実は教員になる前から感じていたこと。

 

残念ながら、僕が学生時代面白いと思った体育の授業は一度もなかった。

なんとなく、体育って忍耐を教える場所。

みたいな感覚があった。

 

しかし、トレーナーの勉強をしていき身につけた知識や教育実習で現場を体験した時に、なんとなく何かできないものかと思った。

 

そしていざ先生と呼ばれるようになり授業が始まった。

深刻だ。

 

「なぜそれをやるの?」

そんな問いの連続だ。今でこそ良くも悪くも慣れてしまったが、毎日が疑問の連続。

 

「どうすれば生徒はこの部分を納得して受け入れるんだろう。」

毎日のようにそんなことを考え続けた。

 

正直な話、先生と生徒にはタテの関係性がある。

だから、納得する理由なんかなくても最終的には聞き入れる。

しかし、そう思った瞬間僕らは思考停止する。

だから僕は、何があってもまず自分が納得できて、生徒たちも納得できる答えを探し続けた。

 

まだまだ答えの出ないことは多い。

しかし、一歩ずつ着実に進んでいる感覚はある。

 

と、前置きは長くなってしまったが、

僕が勝負に掲げた部分は、最初の10分だ。

高校時代、野球部のスローガンは「先手必勝」だった。

とにかく先制点をとってそのまま相手を諦めさせることを目指すのだ。

教育現場ではその逆。

生徒に、この先生オモロいかも!?と初めの数分で思わせられるかどうかが勝負だ。

 

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第一印象は3秒で決まる。なんて言われる。

 

面接試験も、最初の挨拶で決まるなんて言われる。

 

じゃあ授業はどうか。授業は導入で決まると思う。

 

 

 

入りでどんな展開を作れるかが勝負。

ここでこけると死んだような授業になる。

だから僕は、導入が勝負だと思っている。

 

僕が最初に意識することは、

「場を清める」ということだ。

 

これは、多くの指導者の方がお話されていることだ。

 

強豪校の練習会場は、必ずと言ってよいほどに清まっている。

だから僕も体育の始めは、清められるよう整える。

 

具体的に言うと、

・服装を整える

・時間を守らせる

・整頓をきちっとさせる

・元気の良い挨拶

・礼をそろえる

・真剣な目つき

 

このあたりを作る努力をする。

 

 

なぜか?

数年間ここに疑問を抱いてきたが、

結局のところこれだろうと思う。

 

 

それは、「安全」

 

運動は危険を伴う。

ケガは起きるものだ。

しかし、預かっている以上、最大限に注意を払わなければならない。

 

そこで大事なことは環境整備もそうだが、

生徒の緊張感が大事だと思う。

 

緊張感はスポーツ心理学なんかでよくいう『逆U字曲線』をイメージするとわかりやすいと思う。

 

運動には緊張が必要だ。

スポーツなら競争しているから、勝手に緊張できる。

 

しかし、体育は競争ではないから緊張感は生まれにくい。

だから、意識的に緊張感を作る必要がある。

 

ある種リスク管理という意味もあるが、

それを言ってしまうと熱量が下がってしまうので、僕は言わないようにしている。

 

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さて、この重要となる導入。

緊張感ができた後は何をするのか?

 

 

もうお分かりだと思うが。

『弛緩』させることだ。

 

過緊張に入ってしまっては、思い通りに身体は動かず、想定外の動きをしてしまったりする。

 

だからよく、「落ち着いて」なんて言葉をかけることもあるが、大事なことは落ち着ける雰囲気づくりだと思う。

 

 

この弛緩を作ることも教師の大きな役割だと思う。

 

 

教師はピエロでなければならない。

僕はそのように思う。

 

時に落ち込む生徒や悲しむ生徒、暗くなってしまっている生徒を元気付けなければならない場面がある。

 

そんな時、おどけ方を知っていることは非常に重要な技術だと思う。

 

だからよく、必要以上にテンションを上げすぎて生徒からひかれることがある。笑

 

 

けれど、それくらい派手にやらないと、生徒は場面の変化に気づけない。

と思っている。

だから、過緊張からの弛緩に向かう中で、僕はピエロとなり生徒をにこっとさせにいく。

 

そしてこれは話術でするのではなく、やはり体育教師なので授業内容で行う。

 

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ここでやっと具体例を出そうと思う。

 

例えば僕がやるのは、

じゃんけん×補強運動だ。

 

スキャモンの成長曲線を未だにベースと考え、高校の体育では筋トレをきっちり行う。

 

体育という科目では、わりと優先順位の高い内容である。

だから、やらないといけない。いやでも、しんどくても、寒くても暑くても。

 

ならばどうせやる補強運動。

楽しくはできないものかと考え、その答えがじゃんけんだった。

 

 

 

じゃんけんは不思議と、公平性をもたらす。

だから、負ければペナルティというルールに誰も疑わない。

そして、勝てば楽できるルールは、もちろんみんな受け入れる。

 

僕が行った腕立て伏せはこうだ。

 

○ルール

①パートナーと向かいあって腕立て姿勢をつくる

②片手のみを地面につけ、もう片方の手でじゃんけんを行う。

③勝てば0回、負ければ3回、引き分けならば1回ずつ

④このルールで10ゲーム程度行う

 

 

結論から言おう。

まぁ、盛り上がる。

 

そして、嫌嫌やっていた腕立て伏せを、勝手にやり始める。

腕立て姿勢が苦手な生徒も、目の前のパートナーが3回やる間、笑顔で待つ。

 

とっても不思議だ。

じゃんけん一つで、笑顔で補強運動できるのだ。

 

運動強度は保障できるの?

という疑問もあるかもしれないが、

腕立て姿勢で1分間キープするだけでも、なかなかのトレーニングだ。

 

僕は何より体幹のトレーニングが重要だと考えているから、これでいいと思っている。

 

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今日は一例を挙げてみたが、

こんな感じで授業が始まっていく。

 

何が良いかって?

自分がホームグランドだと思って授業できるって、

一番力が発揮できるんだよ。笑

 

教師が生徒を盛り上げるのか、

生徒が教師を盛り上げるのか。

 

そんなものはどちらでもよいと思う。

 

先日、ある先生が歌舞伎の話をしているのを思い出した。

 

演者と観客、どちらも一体になったら勝ち。

 

まずは一体になる仕掛け作りから。