ミラクルを起こしたくて
大会がもうすぐそこ。
ということで、
そろそろスタメンメンバーも決めていきたいところだが、
まだまだドラマを生んでいきたいと思う。
まだチームの完成には早い。
なんなら、開幕して
一勝する度に強くなっていけばいい。
そんな一勝が遠いんだと知ったのは、
この立場になってからのこと。
僕は3年前、ミラクルな勝利を見た。
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大会前の最後の練習試合、
あまりにひどい負け方をしたチームを見て、
僕は諦めてしまった。
このチームにベスト16を目指させたことが、
間違いだったんじゃないかと反省すらした。
きっと、この子たちも一勝なんて夢のまた夢だと思っているのだろう。
なんだか、期待をかけすぎていたんだと思い、
申し訳なさすら感じた。
そして、迎えた初戦。
今考えると、おそらく格上だったんだろう。
過緊張もなく、堂々としたプレー。
鮮やかな勝利を飾った。
打っては、10安打を越える打線。
守っては、見たこともないファインプレー。
そして、笑顔。
そんなことも起きるんだと、
高校野球の奇跡を知ることとなった。
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あれから僕は監督という立場になり、
勝ちを目指してきたが、
そう簡単に取れるものじゃないんだと
思い知らされた。
そして、今年で3周目のチーム。
”今年こそ、勝ちたい。”
そんな思いで、
若干力みながら、
限られた日数での指導について
暇さえあれば考えている。
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あのミラクルは、
なぜ起きたんだろうか?
僕なりの推測。
「仲間を信じられたから。」
だと思う。
仲間を信じられると、
自分の犠牲に対して何の不安もなくなる。
自分がたとえアウトになっても、
次の選手がなんとかしてくれる。
自分がフォアボールを選んでも、
次の打者がヒットを打ってくれる。
そう信じ始めた時、
自分のやるべきことが見えてくるように思う。
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では甲子園に出るチームはどうなのか?
残念ながら、僕は甲子園の地を踏んだことはない。
なので、ここでも推測。
この、「仲間を信じる」に+して、
「この仲間たちと一日でも長く野球がしたい。」
そう思えているんじゃないかと思う。
僕の未熟さに後悔しかないが、
先輩たちと一日でも一緒に野球がしたいと
心から思えたことはなかった。
自分が最上級生になった時、
同級生にはこの気持ちはあった。
しかし、ここで大切なことは
「後輩が、先輩に対して心から思えているか」
だと思う。
憧れの先輩になれているかだと思う。
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今のチームを考えた時、
まだまだこの部分が欠けているように思う。
同時に、
「この監督と一日でも長く野球がしたい」
と思ってもらえているのだろうか。
以前、先輩教員に言われた言葉、
「最も強いチームは、監督を胴上げしたいと言う。」と。
監督に勝利をプレゼントしたいと思ってもらえるかどうかだと。
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ここに対して、僕なりの答えはまだない。
しかし、ここの探求は欠かせてはいけないんだと思う。
・仲間を信じきれるチームへ
・一日でも長く一緒にプレーしたいと思ってもらえる先輩へ
・胴上げしたいと思てもらえる監督へ
残り2週間、
いや、まだ2週間ある。
ただ練習をするだけではなく、
この人間くささのドラマを生んでいきたい。